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修験道豆知識

役行者 知って得するお話

修験僧
前鬼 「山伏の所持する法具って、実に実用的に出来てるってこと、知ってた?」
後鬼 「たとえばどんなもののこと?」
前鬼 「頭襟(ときん)っていうのは、山中では頭からはずして、水を飲むコップ替わりに使えるし、岩などで頭をぶつけた時なんかはヘルメットととして防御してくれるんだ」
後鬼 「へー・・ あ、お師匠さま」
行者

役行者「そのとおり、いかにも便利に作られているが、しかし本来の意義を知っておらなければなんにもならんぞ。
頭襟は大日如来の宝冠を表し、迷いの衆生と、悟りの仏とが一体であるという教えを象ったものであり、十二のヒダは十二因縁、黒色は煩悩を表わしている」

前鬼 「ハッハ…、よくわかりました。では山に行って地面に腰をかけるときなど、携行用のランチョンマットの如く、大変重宝する引敷にはどんな教えがあるのでしょうか?」
行者 「引敷とは鹿や兎などの獣の皮で作るが、獣とはすなわち煩悩のこと。その引敷を悟りを目指す行者が着けることで、煩悩即菩提の教えを表しているのだ。つまり迷いと悟りとは別々のものではなくて、一人の人間の中で、迷いを克服すれば、悟りが自ずから生まれることを教えているのだぞ」
後鬼

後鬼「では行者が入峰修行で腰に巻く螺緒は、岩場などでは登山用のザイルとして使えるのですが、あれにも意味があるのですか」

行者 「螺緒は本来、法螺についていたものであったが、今は両緒として使用している。行者の腰(臍)の周りに巻くことで、父母所生の身より、仏性(仏になる種)を持っていることを教えているのだ」
後鬼 「実用的といえば、山伏さんの持っている法螺はどんな役に立つの」
前鬼

前鬼「山の中には番地もないし、携帯電話も使えない。修行者同士がお互いの位置を知らせ合ったり、あるいは熊やイノシシなどの獣たちに、修行の妨げをしないよう、前もって知らせておいたり、いろいろ役に立つものなんだよ」

行者 「法螺には仏の説法という意味がある。釈尊が説法されるときは大法螺を吹いたと仏典に記されるように、法螺の音は仏の説法そのものなのだ。また獅子吼説法と言われるように、獅子(百獣の王ライオン)がウォーを吼えると、他の獣たちが恐れおののいてひれ伏すが如く、釈尊の説法によって衆生の煩悩はたちどころに断じられることを表しておる。」

 

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